Story 07ロービジョンの子どもたちへ

伊敷政英(いしきまさひで)のしゃしん

みなさん、こんにちは。ぼくは伊敷政英(いしきまさひで)です。
みなさんと同じロービジョンです。

ぼくは 2014 年 3 月から、ロービジョンのみなさんに使ってもらえるような、かわいい・かっこいいノート「KIMINOTE(きみのて)」を作りました。

KIMINOTE にこめた、みなさんへのねがいを書きましたので、読んでみてください。

自分のことをつたえるために

ロービジョンは、まったく目が見えないわけではありません。みなさんもいくらか見えていると思います。この「いくらか見える」というのは、まわりのお友だちや先生にとってはとてもわかりにくいんです。

何が見えていて、何が見えていないのかをお父さんやお母さん、先生、友だちにわかってもらうのはとてもむずかしいことです。ぼくのお父さんやお母さんでさえも、ぼくの見え方をきちんとわかっていないと思います。

みなさんの見え方をいちばんわかっているのはみなさん自身です。

みなさんは、学校のクラスやクラブ活動などで、友だちや先生に自分の見え方、自分でできること・できないこと、てつだってほしいこと、「ありがとう」や「うれしかったよ」の気もちをつたえていかなければなりません。また大人になるにつれて、多くの人に出会います。いっしょにお仕事をするなかまやせんぱい、大人になってからのお友だち、大好きな恋人やそのお父さん、お母さんなどです。そうした人たちにも、自分の見え方やようすをつたえなければならないときがたくさんあります。

自分のことを、正しく、わかりやすくつたえられるようになってください。

ロービジョンの友だちのことをつたえるために

今、小学生のみなさんは 30 年後、大人になっています。そのころぼくはおじいちゃんです。今より見えづらくなっているかもしれないし、ほかにも病気やしょうがいをかかえているかもしれません。

30 年後、社会を作っているのはみなさんです。みなさんが自分の言葉でロービジョンのことをつたえ、一人でも多くの人がさんかできる社会を作ってほしいと思います。ロービジョンの人たちも使いやすくてかわいい・かっこいいノートも当たり前になっていてほしいです。

それによって 30 年後のぼくも、大人になったみなさんも、そして 30 年後の子どもたちも、毎日を楽しくすごせるのではないかと思っています。

KIMINOTE を使って、たくさん書いてください。お友だちとこうかん日記をするもよし、自分で作った小説や歌のかしを書くのもよし、思いついたダジャレを書きためて友達に教えてあげるのも楽しいでしょう。みなさんには表現する楽しさやおもしろさを知ってほしい。

そして、みなさん自身やロービジョンの友だちのことをつたえる言葉をもってほしいと、強くねがっています。

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